着実に理解したことは定着度合いが高い!

学習しても頭に入らない

プログラミング言語や、新たな知識を学ぶとき、なかなか頭に入ってこないことがあります。 私の場合、頭が入ってこない理由の一つに、「例示の通りにやっているはずなのにつながりがわからず、混乱してしまう」があります。

「書いてある通りにやっているはずなのに、途中で論理の飛躍を感じる」と言った方がいいかもしれません。

そんな時、多くの場合「間が飛んでるから」がその原因に当たります。

例えば、↓の因数分解をするとします。

{ \displaystyle x^{2}+7x+12 }

解答を見ると、

{ \displaystyle x^{2}+7x+12=(x+3)(x+4) }

とだけしか書かれていない。

慣れてくればこの記載で納得はするのだけれど、このイコールの中にはいくつもの工程が含まれています。 その工程が飛んでいるので、慣れないうちは論理の飛躍を感じてしまう訳です。

工程に分解

イコールで表されているものを工程に分解してみます。

  1. 省略している係数、指数を表示。{ \displaystyle x^{2}+7x+12 = 1 \times x^{2}+7 \times x^{1}+12  \times x^{0} }
  2. { \displaystyle x}について指数が2,1であり、指数の最大が2であるので、{ \displaystyle x}についての2次式である
  3. { \displaystyle x^{2}}の係数は1だから、0でなく、負の数でもない
  4. { \displaystyle x^{1}}の係数は7だから0ではない。
  5. { \displaystyle x^{0}}の係数は12だから0ではない。
  6. { \displaystyle x^{2}}の係数1、{ \displaystyle x^{1}}の係数7、{ \displaystyle x^{0}}の係数12の最大公約数は1であり、互いに素
  7. { \displaystyle x^{2}}の係数1、{ \displaystyle x^{1}}の係数7、{ \displaystyle x^{0}}の係数12はすべて正の整数であることから、{ \displaystyle (x+\alpha)(x+\beta) }となると仮定(★)
  8. { \displaystyle (x+\alpha)(x+\beta)=x^{2}+(\alpha+\beta)x+\alpha\beta }なので、{ \displaystyle \alpha+\beta=7,\alpha\beta=12}となる正の整数の組み合わせを探す(◎)
  9. 12の約数は{ \displaystyle {1,2,3,4,6,12}}
  10. 12の約数同志を掛け合わせて12になる組み合わせは以下の3通り
    • { \displaystyle \alpha=1,\beta=12}
    • { \displaystyle \alpha=2,\beta=6}
    • { \displaystyle \alpha=3,\beta=4}
  11. 3通りの組み合わせをそれぞれ足してみる
    • { \displaystyle \alpha+\beta=1+ 12 =13}
    • { \displaystyle \alpha+\beta=2+6=8}
    • { \displaystyle \alpha+\beta=3+4=7} ⇒これが◎を満たす
  12. { \displaystyle \alpha=3,\beta=4}{ \displaystyle \alpha+\beta=7,\alpha\beta=12}となる組み合わせと決定

よって、★の仮定に{ \displaystyle \alpha=3,\beta=4}を適用して{ \displaystyle x^{2}+7x+12=(x+\alpha)(x+\beta)=(x+3)(x+4) }

正解が導けました。

理解がおいつかない時?

理解が追いつかないことが目の前に現れた時、「自分は理解できていない!」と嘆く前に、自分の理解できる最小単位で一歩を踏んでみるといいでしょう。

上述の例では、イコール一文字で表されていることは、12の工程に分解できました。各工程は自分の理解できる最小単位です。 一歩ずつ、最小単位でしか理解できないことを嘆く必要もありません。そんな泥臭さが理解を深める助けになります。

分解して工程を辿った結果、理解できたならそれに越したことはありませんし、それでも理解できなかった場合は、そこが「わからない」ことになります。純粋に知らないこともありますし、まだ分解する余地があるのかもしれません。 純粋に知らないことは「ここがわからない!」と助けを求めてクリアできれば先に進めるようになります。

泥臭く、粘り強く理解する

自分の理解できる最小単位で、一歩ずつ泥臭く、粘り強く理解したことは理解度合いが深くなります。 それだけ定着度合いが高くなり、なかなか忘れないし、応用も効くと思います。

わからないことが目の前に現れた時。 それは「深く理解するチャンス」なのかもしれません。 「投げ出す」と「チャンスをつかみにいく」どちらの選択肢を選びますか?